恐~い話(2)

新緑の公園

新緑の公園

飛行機に乗らなければいけない用事ができて、羽田に向かった。十分時間をみていったが、まず京急線の降りる所を間違えて一つ手前に降りてしまった。少し待って次の電車に乗り、無事羽田に着いた。この時はまだ余裕があった。なにしろskipという便利な切符を持っていたから。しかし検査場に向かって行く途中で、トランクの中に髪用のスプレーがあったことを思い出し、手荷物では通らないだろうということに思いついた。捜して荷物を預ける所に。そこは意外と混んでいた。あっ、まずいなとここで思い、荷物を預けてから急いで検査場に向かった。検査場が閉まるぎりぎりの時間に通った。

そこでゲートの場所を確かめると「結構遠いですよ。」の返事。ずーっと前のことだけど、歩いても歩いてもたどり着かなかった記憶がよみがえり、飛行機に遅れたら取り返しがつかない、急がねばと走り出した。四本ほどあった歩く歩道をすっ飛ばし、やっとゲートに着くと。。。飛行機はいてくれた。。。ほっとしてピッとかざし急ぎ足で機内に。

後ろの方の席なので機内をずんずん進んで行ったけれど。。。何か変だ。席に誰もいない、誰も。。。咄嗟に思ったのは(しまった、皆が降りた飛行機に乗ってしまった)ということだった。それとも「荷物専用」の飛行機に乗ってしまったのか。し~んとした機内の中で、次に浮かんだ考えは恐ろしいものだった。(最近身近になった異次元の世界に、迷い込んでしまったのか)。 と、長身の美しいアテンダントがにこやかに近づいてきた。(ひょっとして妖しい美女か?)私は多分縋る様な目つきで彼女に聞いた。「どうしてこの飛行機は誰も居ないのですか?」すると相変わらずにこやかな顔で、彼女は答えた。「何故ならお客様が一番乗りだからです。」

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