祭りについて

結婚してから50代で京都造形芸術大学に社会人入学して多くのことを学び、また芸術の面白さに目覚めた。芸術学をとったので、色々な分野を勉強することになり、日本の文化を考えることになった。その中で「日本の祭り」について課題が出た。「祭り」の意義について考察しなさい、というものだった。

はっきり言ってよくわからなかった。まだスピリチュアリズムの勉強もしていなかったし、でも神様を讃える行事には間違いない、とぼんやり思った。でも、と再び考えた。神を讃えるのにあんなに大騒ぎする必要があるのかしら、やはり娯楽の要素が強いな、それとも権力者が不満を溜めた民衆エネルギーの発散装置か、と考えがまとまらず結局、祭りとは、人間のあるがままの姿の表現で昔からあった原始的なもの、という自分でも良くわからないことを書いたが、評価はAを頂いた。(少し自慢)

外国風の景色ですが、日本です。しかも近所。

もう10年ほど昔の話だけれど、どこか消化しきれないで引っ掛かっていたのだろう。今、コロナ禍の時代でしかも頼りになる人の訃報が多く、また知り合いで病気になる方も結構いる。人が集うことが難しくなったこの時代に、ふと祭りのことを思った。祭りとは、やはり生命の火花の表現で今、こうして仲間と神を寿ぐことができる幸せ、ひょっとしたらあらゆる意味で奇跡的なこの時間、を強く印象に残す装置ではないか、と。そういう意味では、不明のまま書いた提出課題もそう的外れではなかった、と今更ながら胸をなでおろすのであった。

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