もしもし、大丈夫ですか?

深刻な話ばかり書いたので、今回は少し笑える話を書きます。練馬の実家は、両親が亡くなったので空き家になり、そのうちどうにか処分しなければいけないと思っている。そこには小さな庭があって木も7、8本植わっている。亡くなってから三年以上たつが、なかなか木を手入れすることができなくて放っておいたら、恐ろしいことになってきた。そこで意を決してネットで業者を探し電話した。

かなり剪定して、下の雑草も刈って、草や枝の後始末もしてね、と言ったら8万位はかかるでしょう、と言う。高~い、税込みで5万円位で何とかならないか、しかも明後日までに、とかなり無茶なお願いをすると、う~ん、ここではできないけれど下請けの僕のところで何とか、その代わり、明日中にやるので、明日中に現金で払って欲しい、ということで話がまとまり、次の日、国立駅の改札口で待ち合わせた。

会ってみると意外と若いお兄さんで、年を聞くと何とうちの三男と一緒の年。(最近やたらこのパターンが多い。弁護士までうちの次男と一緒の年だった。この前書いた出版社の社長も然り)お金の受け渡し、領収書のサイン、処理の証拠写真を見ること、など、駅で立ってできることではないので、近くのタリーズコーヒーに誘った。思ったよりきちんと仕事をしていて、納得して5万円を支払い、迅速な対応に感謝して領収書にサインしたところで声をかけられた。

国立の桜が美しい。自然は心なごませてくれる。

「もしもし、大丈夫ですか?そのお金。」声をする方を見ると、横にこれまた若いお巡りさんが立っている。「はっ?」と言うと「『駅で年齢の不釣り合いな人たちが待ち合わせをしていて、年配の人が騙されそうになっているのではないか?』という通報があったので見にきました。」と言うではないか!私はそれを聞いた途端ギャハハと笑い、「ああ、ばあさんと若者では不釣り合いで、確かにお金の受け渡しもしましたが、実家の木の剪定代金ですよ。騙されるどころか大分値切りました。」と言ったら最後の言葉に相手の若者も大きく頷いている。まだ信用できない、という顔をしていたので、ほら、これ、と写真と剪定の明細が書かれた領収書を見せたら、やっと納得して立ち去った。

「あなたのその上から下まで黒づくめのお洋服が怪しまれるんじゃない?」と言ったら「失礼な。これ制服の様なものです。」と意外に真面目に答える。「もし詐欺だったら、危険をおかして5万円じゃ割に合わないよね、せめて50万円でしょ。」と言ったら「本当にそうですよね。」と意見が一致した。早速アメリカの姉に電話で話したら「あなたって、どうしてそう面白いことがよく起きるの?」と笑っていた。その若者は練馬の実家のすぐ近くの商業高校を出たそうで、自分で起業を成功させようと頑張っているとのこと、大変な世の中だけれど、真面目にやって是非成功して欲しいです。

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