お片づけ(1)

皆さんも経験ある方もいるかと思いますが、今両親のなくなった家の片付けをしている。人ってこんなに物がいるのかと思うほど、捨てても捨ててもなんやかやある。大枚はたいて一挙に持っていってもらう方法もあるけれど、両親が大事にしていた物や私自身の学生時代のものもあり、こつこつ片づける方法を選んだ。

家はかなりガタがきていることもあり、リフォームの必要があるので、ほとんどの物をなくさなければならない。外壁がはがれている所があり、「そこは直しておいた方がいい。」と言うので、直してもらうついでに二階の大きな家具、ベッド、和ダンス、洋ダンス、食器棚を転用した二段の本棚を大工さんにお願いして、外壁の修理の後、始末してもらうことにした。全て大変古いこともあり、粗大ゴミにすると言ったら、「こんなにあるとは聞いていない。」と言われた。確かにこれらの物を狭い階段から下ろすのはかなり大変だと思い、一計を案じた。

まず、ベランダからベッドの厚いマットを落とし、そこに物を落としていったらどうかと提案したら、「それでいこう。」ということになった。「でも、ガラスが飛び散ると大変なので、ガラスが入っている所ははずして手で持っていってください。」とお願いして、夏の異常に暑い中、作業をしてもらった。力強い大工さんが三人で次々と落としてくれてあっという間に片付いたが、落とした時の音がドーン、ドーンとして決して気持ちのいいいものではなく、思わず、「ごめんね。今まで有難う。」と心の中で言い続けた。

本当はそのままどこかに引き取って欲しかったのだけれど、二階からそのままとなると、かなりのお金がかかる。桐の和ダンスもあまり古いと、まず削らなければならず、もう60年以上たったタンスなので、涙をのんでお別れした。中の物は、クラスの方やお店の若い方に来て頂いて全て空にしておいた。

後は、下に散らばった部品を(落としたので、ばらばらになった)家具ごとまとめ、粗大ゴミとして区に持って行ってもらった。粗大ゴミは65才以上だと、家の中まで来て持って行ってくれるそうで、私も来年夏まで待てばめでたく(?)65才以上になりこんなことしなくてよかったのだが、「後始末」にいつまでも関わっているのが嫌でこういうことになった。「短気は損気」と昔から言うけれど、本当、申し訳ないことをしたかも、とトラックに乗せられて去っていく家具にもう一度謝り、感謝して見送った。

長い間一緒にいてくれた家具たちに、有難う、の花束を。

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