父とのこと

尿が出ないまま入院している父に、できたら隔日に会いにいくようにしている。時々オオボケする。この前は私をみた途端驚いて、「あんた、なんでここがわかったの?」と言う。私もしょうがないので合わせて「病院が教えてくれたのよ。」と言うと、「ほ~、すごい病院だな。」とまた驚いている。「あんた、どこから来たの?」と聞くので、「東京」と答え、「お父様、どこにいるの?」と聞いてみたら、「四国」と言うので、やっぱりと思って「四国のどこ?」と聞くと「高松、この前船から降りた。」と言う。造船会社の設計技師だったので、その時が人生の花だったんだなと少ししんみりした。

暫くして、「もう帰るわ。」と言うと「どうやって帰るの?」「自転車」と言って、父が再び驚いた顔を見て、しまったと思った。ここは「飛行機」というべきだった。後日アメリカ在住の姉にこの話をして、「飛行機、といっていく度に10万円貰おうかな。」と言ったら「そんなことしたら、(母の)施設代や(父の)入院代が払えなくなって困るのはあなたじゃない。」と大笑いしていた。その通り、です。

それから2,3日して行ったら真面目な顔をして、「ここは立川だな?」と聞くので「そうよ。」と言うと「あんたはどこに住んでる?」ともう何回も聞いたことを言うので、私も「国立、ここのすぐ近くよ。」と多分20回は言った返答をした。するとふ~んと言ったきり黙って目をつぶった。

6月20の富士山。河口湖にて。この時期滅多にみられない富士山の雄姿でした。

6月20の富士山。河口湖にて。この時期滅多にみられない富士山の雄姿でした。

なんだか自分は高松にいる、と思っていた時の方がにこにこしていて幸せそうだった。お医者さんは「病院にいると認知が出るので、頭をはっきりする薬も出してます。」とおっしゃっていたけれど、今は夢の中にいる方が幸せじゃないのかな、と複雑な気持ちになった。一生懸命治療していてくれる病院にそんなことはとてもいえないけれど。

父が長引いているのは、尿の出ない原因がわからないから。原因がわからないと治療法もわからないのは、西洋医学の弱点でもある。気功は邪気のありかはわかってもどういう病気か具体的にいえないのが弱点ではあるが、邪気を祓うことによってヒーリングはできる。組み合わせればかなりのことができるのに、といつも思う。とにかく父に早く良くなってもらって、また母に会わせに施設に連れていきたい。

 

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