或る女性

浅草に出かけた時、或る女性と偶然知り合い、メルアド交換までして別れた。少し私よりお年かな、と思ったけれど話していて何のギャップも感じることなく最後まで楽しかった。「図書館で働いてますの。」と言うので「司書ですか?」と聞くと「いえ、清掃です。体動かすのは楽しいですよ。交通事故でもう立てないかも、と思っていたので余計楽しいです。」とおっしゃった。

お見事!と感心した。ご自分のお仕事に誇りを持ち堂々としている。最近気がついたのだけれど、いわゆる「勝ち組」「負け組」は自分で決めることであって人から決められるものではない。例えば会社員がリストラされても、それをチャンスに自分の道を歩み始めれば「勝ち組」、残ることができて出世しても競争相手に負けた、結局思うように出世できなかったと思えば「負け組」。その後の人生というか「今」を輝かせることが出来るかどうかのとても大事な分かれ道だと思う。

すすきの綺麗な季節です。

すすきの綺麗な季節です。

別れ際に年を聞かれたので「もう年です。還暦近いです。」と言うとその方は、「お若いのね。私は76です。」と言われたのでびっくり。白髪だったけれどお顔の色艶、話し方で10歳は若い感じがした。一昔前まで私は「80が人間の天命」と聞いていたので、何となく人生設計をそれに合わせて「今」をしっかり生きようと思っていた。なのに日本人の女性の寿命が勝手にどんどん延びて、いまや90、100歳近い人まで元気な方が多い。「お若い」と言われればそうかもしれないけれど、後10年ほどで「楽隠居」かな、と楽しみにしていた身には「まだまだ」と言われた様な気がして、ちょっとしんどい心境なのでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください