エミリ・ディキンソンの詩

5月の詩の朗読で、エミリ・ディキンソンの詩を教えて頂いた。彼女は全米最初の女子大を出たが、協会とも家族とも社会とも合わなくて引きこもりの生活をし、独身のまま56才で亡くなった。詩の中で、何かの本質を知るにはそれに対する飢餓感が必要だ、とうたっている。例えば「成功をもっとも甘美だと思うのは 一度も成功したことのない人たち。 美酒の味を知るためには 極限の乾きが必要だ。」というフレーズがある。

彼女に捧げる白い花

彼女に捧げる白い花

これを読んでいるうちに、食べ物が美味しいと思ったことがない王様に「一番おいしいものを食べさせます。」と言った若者が一日中王様を働かせて、その後食事をしてもらい、王様がその美味しさに感激して約束を果たした、という物語を思い出した。彼女が得られなかった外での自由、他人とのぬくもり、日本でのおいしい食事、慣れてしまえば有難さがわからなくなる。社会や政治に対する冷静な眼と批判は大事だけれど、日常の一つ一つのことに感謝の気持ちを忘れてはいけない、と詩が教えてくれた。「彼女は色とりどりの箒で掃く」で始まる、夕焼けの美しさを擬人的に歌った詩もとても素敵だ。

 

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