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ピアノ発表会(3)

あ~、終わった。一礼して席に戻って来たら、(一部の最後だったので、二部まで少し休み時間があった)わざわざ来てくれていた友達と従姉妹が「迫力がすごかった。」「良かったよ。」と誉めてくれた。「でも間違えた所あったでしょ?」と言うので内心(あったどころではない。リスト作、冨田編曲くらい間違えた。)と思ったが「あらっ、わかった?」と聞いたら、「わかったよ。だって弾きながら笑った時があったから。」という返事だったので、良かった、皆さんがあまり知らない曲を選んだのは大正解、とほっとした。

同じクラスの仲間も「きらきらした、華やかな曲なのね。」とか「リストにあんな曲があったのは知らなかった。」とか言ってくれた。私以外に三人がこの発表会に出られたが、いつも良く練習されていて音楽性も豊かで、音楽仲間として誇りに思う方達だ。生徒を

終わった後の高揚感を表現した。(1)から連続でお楽しみください。

終わった後の高揚感を表現した。(1)から連続でお楽しみください。

引っ張るM先生も情熱があり、クラシック以外にもジャズ、現代音楽と幅広くカバーする若いピアニストだ。要するに私の音楽環境はとても恵まれている。

解散の時、先生に言った。「この会で私が一番のものをみつけました。」「えっ、何ですか?」「弾いた女性の中で一番年をとっていました。」「アハハ、そうでしたか。」という会話で感動的な発表会は終わったのだった。

ピアノの発表会(2)

さて当日、どうしても和音が難しく手がそこにいかない所が三箇所あったので、着実に弾ける所意外は適当に弾き、間違えても後にひかないことを肝に銘じた。「とにかく手をとめないこと」という先生のadviceを頭に置き順番を待った。どういうわけか私の前四人は続けて男性の方達。私の前の方はドビュッシーの「夢想」を繊細に優雅に弾き終えた。

12ページの楽譜をセットしていたら、司会の男性が舞台に上がって譜をめくって下さる先生の椅子を用意したので、私も舞台に上がって楽譜をピアノに置いたら、その方が驚いて、「貴方はまだ舞台に上がらないでください。名前を呼ばれて皆さんにお辞儀をしてからです。」と注意された。あれあれ、又やってしまったと思い言われた通りやり直した。

心象風景。比較的落ち着いていた、と思う。

心象風景。比較的落ち着いていた、と思う。

弾き出すと意外と落ち着いた。難しい和音も長さは計画通り楽譜を無視してゆっくりと、目立つ音だけは正確に弾き何とかクリア。後半にクライマックスがきて、ここは何度も練習したので思い通りできた。しかし、後1ページというところで、ほっとしたのか今まで一度も間違えたことがない所が一瞬わからなくなった。気がついたら同じ所を二回弾いていた。音も違うと思ったけれどとにかく次に進む。最後で全体の印象が決まるところがあるので、しつこく練習したところは無事通過。「この一週間の総決算」とばかり最後の和音を押さえる。あ~、終わった。(続く)

ピアノ発表会(1)

発表会前の心象風景

発表会前の心象風景

9月21日、シルバーウィークど真ん中に、ピアノの発表会が「東京建物八重洲ホール」であった。私は一部の最後。曲目はリストの「海を渡るパオラの聖フランチェスコ」という長ったらしいもので、曲も負けずに12ページという、とても長いものだった。以前、楽本の前にある「小鳥に説教をする聖フランチェスコ」という、これも11ページある長い曲だったけれど比較的楽に弾けたので、今回も大丈夫だろうと思っていた。

日が近づくにつれ、曲が長いばかりではなくソナタ形式(簡単にいうとAーBーAという形式、AとBを練習すればよい)ではなく、つまり2ページずつの違った曲が6曲ある感じなので、猛練習が必要なことにやっと気がついた。しかも普通のアップライトピアノとグランドピアノでは楽譜の位置が高く遠くなるので暗譜してない(できない)者にはかなりハードルが高くなる。いつもと違って会場での事前練習もできないことがわかっている。

久々に追い詰められて、というか大体追い詰められないと動かない性格ではあるけれど、一週間前に多い時は午前、午後とグランドピアノがあるスタジオを借りて練習を繰り返した。宮地楽器の生徒なのでレンタル料は割安だけれど、それでも多大な出費。(涙)でも、家族で旅行に行くことを考えると安いものだ、好きなことを思い切りできる私は幸せ者と思い直し、思いがけなく返ってきた次男も捨て置いて、練習に励んだ。(続く)